J2昇格争いは最終節までもつれ込む
2025明治安田J2リーグ第37節が11月23日に行われ、首位・水戸ホーリーホックと2位・V・ファーレン長崎の「天王山」は長崎が2-1で制しました。長崎が勝点69で首位に浮上し、水戸は2位に後退。3位ジェフユナイテッド千葉も大分トリニータに1-0で勝利し、優勝＆自動昇格争いに踏みとどまっています。
この結果、J2優勝の可能性は長崎・水戸・千葉の3クラブ、J1自動昇格（2位以内）の可能性は徳島ヴォルティスを含む4クラブに絞られました。さらに、J1昇格プレーオフ（3〜6位）を争うのは7位ジュビロ磐田までの7クラブという構図になっています。
J2上位7クラブの勝点状況（第37節終了時点）
※勝点のみを抜粋。1位・2位がJ1自動昇格、3〜6位がJ1昇格プレーオフ出場圏。
| 順位 | クラブ | 勝点 |
|---|---|---|
| 1位 | V・ファーレン長崎 | 69 |
| 2位 | 水戸ホーリーホック | 67 |
| 3位 | ジェフユナイテッド千葉 | 66 |
| 4位 | 徳島ヴォルティス | 64 |
| 5位 | RB大宮アルディージャ | 63 |
| 6位 | ベガルタ仙台 | 62 |
| 7位 | ジュビロ磐田 | 61 |
V・ファーレン長崎：天王山を制し、自力優勝＆昇格に王手
首位攻防となった長崎対水戸は、開始早々に動きました。前半6分、長崎はセットプレーの流れから新井一耀が左足ボレーで豪快に叩き込み先制。勢いづいたかに見えましたが、前半34分に水戸の山本隼大にミドルシュートを決められ同点に追いつかれます。
それでも後半、長崎は主導権を握り直します。後半20分、米田隼也がペナルティエリア内で倒されてPKを獲得。キッカーのマテウス・ジェズスがゴール右下へ冷静に決め、これが決勝点。終盤には水戸に退場者も出る中、2-1で逃げ切り、8年ぶりのJ1昇格へ大きく前進しました。
- J1自動昇格条件：最終節・アウェー徳島戦で勝利 or 引き分けなら、結果に関わらず2位以内が確定（自力で昇格決定）。
- J2優勝条件：徳島戦に勝利すれば文句なしの優勝。
引き分けの場合は、水戸の結果次第で優勝 or 2位。敗れた場合は、水戸・千葉の結果によっては3位に落ちる可能性も残るため、まだ安心はできません。 - プレーオフ：すでに3位以下にはならない可能性もあるが、最悪3位に落ちた場合でもJ1昇格プレーオフ出場は確定済み。
水戸ホーリーホック：連敗で首位陥落も、自力昇格のチャンスは残る
前節・大宮戦に続く連敗となった水戸は、長崎戦でも内容自体は悪くありませんでした。失点後はボールを握り、前半34分に山本隼大の左足シュートで同点に追いつくなど、攻撃面では持ち味を発揮。ただ後半20分のPK献上と、終了間際のGK退場が重くのしかかりました。
それでも、クラブ史上初のJ1昇格とJ2初優勝の可能性はきっちり残しています。ラストはホーム・ケーズデンキスタジアム水戸で大分トリニータと激突します。
- J1自動昇格条件：大分戦に勝利すれば2位以上が確定し、自力でJ1昇格決定。
引き分けまたは敗戦でも、千葉・徳島の結果次第では2位を守れる可能性があります。 - J2優勝条件：水戸が勝利したうえで、首位・長崎が徳島戦で引き分け以下の場合に逆転優勝のチャンス。
- プレーオフ：最悪の場合でも3位〜6位には残る見込みで、J1昇格プレーオフ出場はほぼ確実な状況です。
ジェフユナイテッド千葉：大分撃破で逆転V＆自動昇格へ望みつなぐ
千葉はアウェーで大分と対戦し、前半20分に河野貴志のゴールで先制。この1点を守り切って0-1で勝利し、勝点を66まで伸ばしました。長崎と水戸が直接対決したことで、逆転優勝・自動昇格への可能性を残したのは大きな意味があります。
- J1自動昇格／優勝条件：最終節・ホーム今治戦に勝利することが絶対条件。
そのうえで、上位の長崎・水戸が取りこぼせば、2位以内、さらには逆転優勝のチャンスが生まれます。 - プレーオフ：勝点的に、すでにJ1昇格プレーオフ出場は確定。最低でも3位フィニッシュを目指し、プレーオフでのアドバンテージを確保したいところです。
徳島ヴォルティス：大宮撃破で4位浮上 長崎との直接対決で奇跡の自動昇格なるか
アウェーでRB大宮アルディージャと対戦した徳島は、先制を許しながらも渡大生とルーカス・バルセロスのゴールで逆転勝ち。2-1で貴重な勝点3を手にし、4位に浮上しました。特に後半のゲーム運びは、終盤戦の修羅場を知るクラブらしい落ち着きを感じさせました。
- J1自動昇格条件：最終節・ホームで迎える長崎戦に勝利することが大前提。
そのうえで、水戸や千葉が勝点を落とせば、得失点差次第で2位に滑り込む可能性があります。 - プレーオフ条件：引き分け以上なら自力でプレーオフ圏（3〜6位）をキープできる可能性が高く、敗れても勝点差と得失点差の余裕から、ジュビロ磐田に逆転されるのはかなり限定的なケースに絞られます。
RB大宮アルディージャ：逆転負けで5位転落も、プレーオフ圏死守へ
ホーム最終戦となった徳島戦で、大宮は小島のパスからオリオラ・サンデーが決めて先制しながらも、前半のうちに2失点を喫し逆転負け。もし勝てば自動昇格争いにも強く名乗りを上げられただけに、痛い黒星となりました。
- プレーオフ条件：最終節・アウェー山口戦で勝利すれば、自力でプレーオフ出場決定。
引き分けや敗戦の場合は、ジュビロ磐田の結果次第で7位転落のリスクも残ります。 - 目標設定：自動昇格の可能性は消滅しているため、できるだけ上位（3位or4位）でプレーオフに入ることが現実的な目標になります。
ベガルタ仙台：秋田とスコアレスドロー 最終節でプレーオフ切符をつかめるか
秋田とのアウェーゲームは0-0のスコアレスドローに終わり、勝点1の積み上げにとどまりました。勝てば一気にプレーオフ圏内を固められただけに、もどかしい結果ではありますが、依然として自力に近い形で最終節を迎えます。
- プレーオフ条件：ホームいわき戦で勝利すればプレーオフ出場の可能性が大きく高まる状況。
引き分けや敗戦でも、ジュビロ磐田の結果次第では6位を守れる余地があります。 - 課題：守備面の安定感は維持できている一方、得点力不足は引き続きのテーマ。最終節ではエース格の一発に期待がかかります。
ジュビロ磐田：望みをつないだドロー 鳥栖との最終節でプレーオフ圏へ滑り込めるか
第37節のジュビロ磐田は、上位進出を狙う中で勝点2を取りこぼした形にはなりましたが、それでもプレーオフ圏内までの差は1ポイント。最終節でサガン鳥栖に勝利し、上位陣の結果次第では6位以内に食い込む可能性を残しています。
- プレーオフ条件：最終節・アウェー鳥栖戦での勝利が絶対条件。
そのうえで、RB大宮またはベガルタ仙台のいずれかが勝点を落とせば、得失点差も含めて逆転で6位以内に入り込むシナリオが見えてきます。 - 徳島逆転の可能性：4位徳島との勝点差は3ですが、得失点差が大きく離れているため、最終節1試合で4位浮上まで届く可能性はごく限定的です。
ハイライト＆関連ポスト
第37節の天王山と上位対決の空気感を、公式ハイライトとポストで振り返ります。
