菅原由勢、右サイドから示す“安定と攻撃性” ガーナ&ボリビア戦とブレーメンでの現在地

欧州サッカー

2025年11月27日

日本代表の右サイドバック争いが、いよいよ本格的な競争のフェーズに入ってきた。南野拓実&堂安律のゴールで2-0と快勝したガーナ戦、続くボリビア戦でも、菅原由勢は持ち味の攻撃参加とクロス、そして安定したビルドアップで存在感を発揮した。クラブではプレミアリーグのサウサンプトンからブンデスリーガのヴェルダー・ブレーメンにレンタル移籍し、新天地での適応も進んでいる。代表とクラブ、二つの軸で菅原の「今」を整理してみたい。

ガーナ戦:守備の安定感と落ち着いた配球で完封勝利に貢献

MATCH INFO
キリンチャレンジカップ2025
2025年11月14日/豊田スタジアム(愛知)
日本代表
2
ガーナ代表
0
国際親善試合/キックオフ:19:20(日本時間)

得点:[日本]南野拓実(前半16分)、堂安律(後半20分)

すでに翌年のFIFAワールドカップ出場を決めているガーナを相手に、日本は2-0で完封勝利。守備陣の安定感が光った一戦だった。

ガーナ戦で右サイドバックとして先発した菅原は、4バックの一角として90分間プレー。相手の快速ウイングを相手にしながらも、1対1の対応で大きく崩される場面はほとんどなく、対人守備の安定感を示した。ポジショニングも終始落ち着いており、日本のラインコントロールが乱れた時間帯でも、最後尾でバランスを取る役割を担っていた。

攻撃面では、ビルドアップの起点として機能。右インサイドハーフの選手とポジションを入れ替えながら内側のレーンに入り、縦パスやサイドチェンジでテンポを生み出した。決定機につながるラストパスこそなかったものの、「まずは試合を落ち着かせる」役割を果たし、日本の2-0勝利に貢献したと言っていいだろう。

ボリビア戦では45分間のプレーで攻撃的な一面も

続くボリビア戦では、菅原は後半開始からの出場となり45分間プレー。相手のラインが下がり気味だったこともあり、より高い位置でボールを受けてクロスやカットインを試みた。右サイドからのアーリークロスはゴールにはつながらなかったものの、相手DFラインの背後を常に意識したランニングで、ボックス内にスペースを生み出していた。

守備に追われる時間が長かったガーナ戦と比べると、ボリビア戦では攻撃的な局面が増え、菅原の持つ「SBでもゲームメイクができる」という特長がより前面に出た45分間だったと言える。

ブレーメンでのローン移籍 プレミアからブンデスへと舞台を変えて

クラブレベルでは、2024年夏にオランダのAZからプレミアリーグのサウサンプトンへ移籍し、2025年夏にレンタルでヴェルダー・ブレーメンへ加入。ブレーメンでは右サイドバックを主戦場とし、2025-26シーズン前半戦でリーグ戦10試合に出場している。

シーズン序盤にはヴォルフスブルク戦で終盤の同点弾をアシストするなど、攻撃面での貢献も記録。終盤まで走り切れるスタミナと、クロスだけでなく内側に切れ込んでのスルーパスも出せる器用さは、プレミアからブンデスへと舞台を変えても変わらない武器だ。

一方で、プレミア時代から続く激しいポジション争いはブレーメンでも続いている。ブンデスのテンポに完全に順応しきっているとは言えず、守備面での細かなポジショニングやクロス対応に課題を残す試合もある。それでも、監督からの信頼は着実に高まっており、「試合に出て課題を修正する」サイクルを繰り返しながら成長している段階だ。

日本代表の右SB争いの中で見える強みと課題

日本代表の右サイドバックには、酒井宏樹の代表引退後、菅原に加え、伊藤洋輝や毎熊晟矢、さらには3バック時にはウイングバックを務める堂安律や中村敬斗といった多くの候補がいる。そのなかで菅原の強みは、「4バックでも3バックでもプレーできる戦術理解度」と「右サイドからゲームを作れる技術」にある。

守備面では対人の強さに加え、カバーリングのセンスも備えているが、最終ラインのリーダーとして味方を動かすコーチングや、ロングボールの処理など、細部に課題を残す場面も見られる。森保監督が求める「試合ごとにシステムを変えながらも安定したパフォーマンスを出す」チームにおいて、その課題をどこまで解消できるかが、ワールドカップ本大会のスタメン争いに直結してくるだろう。

それでも、プレミアとブンデスという欧州トップクラスのリーグで日々プレーし、国際舞台での経験を積み重ねていることは間違いなく大きなアドバンテージだ。ガーナ、ボリビアと続いたテストマッチ2連戦は、右サイドバックとしての「安定」と「攻撃性」の両方を示す機会となった。

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