平野歩夢がW杯ハーフパイプ開幕戦V!日本男子が表彰台独占、16歳・工藤璃星も女子2位

WINTER SPORTS

2025年12月13日

FISスノーボードW杯2025-26シーズンのハーフパイプ開幕戦が中国・張家口のシークレットガーデン(Yunding Snow Park Halfpipe)で行われ、男子は平野歩夢が93.50点で優勝。戸塚優斗、平野流佳が続き、日本勢が表彰台を独占しました。女子は韓国のチェ・ガオンが92.75点で逆転Vを飾り、日本の16歳・工藤璃星が90.25点で2位に入り、自身初のワールドカップ表彰台をつかみました。

大会は2025年12月12日に行われたFISスノーボードW杯ハーフパイプ第1戦。北京2022冬季五輪の会場として知られるシークレットガーデンのオリンピックハーフパイプに戻ってのシーズン開幕戦です。昼間から雪が降り続き、フラットライトとスピードの出にくいコンディションのなかでの決勝となりました。

男子ハーフパイプ決勝:平野歩夢が圧巻ランで優勝、日本勢が表彰台独占

男子決勝は14人による2本滑走制。日本のエース・平野歩夢は1本目からギア全開でした。スタートからいきなり、今季新たに組み込んだスイッチBSダブル1260ノーズグラブをクリーンにメイクすると、続けてCabダブル1440ミュート、FSダブル1260ジャパン、BSダブル1260ミュート、FSダブル1440テールという超高難度構成をノーミスでつなぎ、93.50点をマーク。このスコアが最後まで誰にも破られることはありませんでした。

2位には戸塚優斗が90.25点で入り、安定した高さと完成度の高いダブルコーク連発で会場を沸かせました。これで戸塚はFISスノーボード・パーク&パイプW杯通算22度目の表彰台となり、男子の歴代最多表彰台記録で単独トップに立っています。

3位には、3季連続で種目別クリスタルグローブを獲得している平野流佳が89.00点で滑り込み。ラストランでスイッチBSダブル1440を決めるチャレンジングな構成をまとめ、追い込まれた状況からきっちり表彰台を確保しました。日本チームの層の厚さを象徴するワールドカップ男子ハーフパイプの表彰台スウィープとなりました。

雪とフラットライトで多くの選手が転倒に苦しむなか、日本勢は1本目から高難度トリックを決めきり、技の難度・高さ・クリーンさのすべてで他国を上回った形です。

男子決勝結果(トップ8)

順位 選手名 得点(ベスト)
1位 平野歩夢 (Ayumu Hirano) 日本 93.50
2位 戸塚優斗 (Yuto Totsuka) 日本 90.25
3位 平野流佳 (Ruka Hirano) 日本 89.00
4位 パトリック・ブルグナー (Patrick Burgener) ブラジル 81.25
5位 山田琉聖 (Ryusei Yamada) 日本 80.50
6位 Jio Lee 韓国 75.25
7位 村上孝之介 (Konosuke Murakami) 日本 74.00
8位 Wang Ziyang 中国 70.00

女子ハーフパイプ決勝:チェ・ガオンが逆転V、16歳・工藤璃星がW杯初表彰台

女子は17歳のチェ・ガオン(韓国)がドラマチックな逆転優勝を飾りました。1本目を終えた時点では7位でしたが、2本目でスイッチBS720ステイルフィッシュ、BS900ステイルフィッシュ、FS1080メロン、スイッチFS720ダブルグラブ、FS720インディと、縦回転と横回転を織り交ぜたハイレベルなランを完走。92.75点のハイスコアをたたき出し、約2年ぶりとなるW杯2勝目を手にしました。

16歳の工藤璃星(日本)は、1本目で88.00点を出して首位に立つと、2本目も着地をそろえて90.25点までスコアを伸ばしましたが、最後にチェ・ガオンの“会心の2本目”に逆転を許して2位。それでも、世界トップレベルの顔ぶれが揃うW杯開幕戦での2位は、今後の成長を占ううえで大きな一歩となる初表彰台です。

3位には中国のエース、蔡雪桐(Cai Xuetong)が80.50点で入りました。地元中国勢が2人、韓国が1人、日本勢が3人決勝に残るなど、アジア勢が女子でも存在感を示す大会となりました。

女子決勝結果(トップ10)

順位 選手名 得点(ベスト)
1位 チェ・ガオン (Gaon Choi) 韓国 92.75
2位 工藤璃星 (Rise Kudo) 日本 90.25
3位 蔡雪桐 (Cai Xuetong) 中国 80.50
4位 呉少彤 (Wu Shaotong) 中国 67.00
5位 イザベル・レッチャー (Isabelle Loetscher) スイス 59.75
6位 ブルック・ドンド (Brooke D’Hondt) カナダ 56.00
7位 ケラルト・カステリェット (Queralt Castellet) スペイン 54.25
8位 大橋空七 (Sorana Ohashi) 日本 52.00
9位 小野光稀 (Mitsuki Ono) 日本 44.00
10位 劉佳宇 (Liu Jiayu) 中国 29.00

日本チームの強さとミラノ・コルティナ2026への追い風

男子ハーフパイプでは、ここ7年間のワールドカップで毎回日本人が表彰台に乗っているという驚異的な記録が続いており、今大会の表彰台独占でその“連続表彰台記録”はさらに更新されました。平野歩夢はW杯通算8勝目、平野流佳は3季連続のクリスタルグローブ保持者、戸塚優斗は史上最多表彰台数を更新と、日本勢の黄金世代がうまく噛み合っています。

今季のハーフパイプW杯は、シークレットガーデンを皮切りにコッパーマウンテン(アメリカ)、カルガリー(カナダ)、アスペン、ラークス、バンク(日本)、シルヴァプラナ(スイス)と続きます。序盤3戦はミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックの出場枠争いにも直結する重要なシリーズとなっており、日本チームにとっては最高のスタートになりました。

女子では、工藤璃星や小野光稀、大橋空七といった若い世代が着実に世界の表彰台圏内に食い込むようになってきました。男子に続き、女子でも日本勢が世界の中心に踊り出る日もそう遠くなさそうです。

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シーズンはまだ始まったばかりですが、ミラノ・コルティナ2026に向けた“金メダル候補”として、日本勢の存在感はますます大きくなっています。次戦コッパーマウンテンでの戦いにも注目です。