陸上競技の”顔”として知られる織田裕二氏が、まもなく開幕する大会初日の見どころを熱く語った。男女100mが同日に行われるという異例のスケジュールに「なんという贅沢な。そんな大会あったかな」と興奮を隠せない様子で、注目選手や見どころを独自の視点で解説した。
男女100m:レジェンドのラストランと新時代の到来
織田氏がまず注目したのは、大会の花形である男女100m。
男子では、サニブラウン・ハキーム、そして9秒台を記録し復調の兆しを見せる桐生祥秀に言及。「パパになった桐生が、素晴らしい走りを見せてくれるんじゃないか」と期待を寄せる。さらに21歳の学生、森選手も注目の日本勢として名前を挙げた。 海外勢では、絶対王者ノア・ライルズの今季の調子に疑問符を投げかけつつ、ウサイン・ボルト氏との会話を交えながら「ボルト以来、約10年ぶりにジャマイカが勝つ可能性がある」と指摘。今季9秒7台を記録しているジャマイカ勢と、ライルズではないもう一人のアメリカ人、ベドナレク選手の走りを「生で直接チェックしたい」と語った。
一方の女子では、伝説のスプリンター、シェリーアン・フレーザープライス(ジャマイカ)が今大会での引退を表明していることに触れ、「僕らも大好きなシェリーアンが東京を最後に選んでくれたってのは嬉しいです」と感慨深げ。 また、個人的に注目しているというシャカリ・リチャードソン(アメリカ)が今季10秒台を出せていない不調ぶりを心配しつつ、「大丈夫かも含めて見守りたい」とコメント。 さらに、未知数の実力を持つウッテン選手(アメリカ)と共に、カリブ海の小国セントルシアのジュリアン・アルフレッド選手を「この人は覚えておかないといけない」と大絶賛。インタビューで間近に見た際に感じたというオーラと美しさについて熱弁した。
各種目の注目日本人選手たち
100m以外でも、初日から注目の日本人選手が続々と登場する。
男子3000m障害では、三浦龍司選手が登場。ダイヤモンドリーグで見せた王者との接戦に触れ、「チャンピオンもかなり焦っていた。お披露目を見せていただけるのでは」と期待を込める。
女子1500mには田中希実選手が出場。「相変わらず厳しい戦いになる」としながらも、「大好きなので応援している。前回大会は入賞も果たしており、すごい才能の持ち主」とエールを送った。
決勝種目となる女子1万mには、廣中璃梨佳選手と矢田みくに選手が出場。アフリカ勢の強豪を前に厳しいレースが予想される中、「僕は廣中選手を応援してます」と力強く語った。
世界の超人たちも初日から登場
棒高跳びでは、”鳥人”デュプランティス選手(スウェーデン)が予選に登場。「予選は問題ないだろう」としながらも、筋書きのないスポーツの醍醐味として注目する。
また、今大会で新たに採用された男女混合4x400mリレーも見逃せない。男子2人、女子2人でチームを組むこの種目では、オーダーが直前までわからない。織田氏は「僕が今大会最も走りを見たい選手」と語るシドニー・マクラフリン選手(アメリカ)や、フェムケ・ボル選手(オランダ)が出場する可能性に期待を寄せた。
最後に織田氏は「言い出せばキリがないぐらい、初日は贅沢です。予選から楽しいと思います」と締めくくり、陸上ファンに向けて熱いメッセージを送った。