COLUMN / WINTER OLYMPICS
ミラノ=コルティナ2026
分散開催
ミラノ=コルティナ2026 ― 分散開催が描く新しい五輪の姿
2026年冬季オリンピックは、イタリア北部のミラノと山岳都市コルティナ・ダンペッツォによる“分散開催”という革新的モデルを採用する。これは近年の五輪が抱えてきた課題に対する、ひとつの答えでもある。
■ なぜ「分散開催」なのか
近年の五輪はインフラ整備や開催コストの高騰が問題となり、多くの都市が招致をためらう状況にあった。ミラノ=コルティナは、既存施設を最大限活用し、地域を分散させることでコストと環境負荷を抑える新モデルを提示している。
■ 2都市がつくる“個性のシナジー”
ミラノはファッション・ビジネス・都市文化の中心であり、フィギュアやスピードスケートの会場が配置される。一方、コルティナはアルプス山脈に抱かれた歴史あるウィンタースポーツの聖地で、スキー系種目の多くがここで行われる。
都会と自然、最新設備と伝統的施設が組み合わさることで、観客にとっても選手にとっても魅力的な体験が生まれる。
■ 大会運営の複雑化と挑戦
地域が広がることで輸送、宿泊、ボランティア配置などの運営は複雑化する。特に山岳地域では天候リスクが大きく、競技スケジュールの調整は容易ではない。
しかし技術と経験を持つイタリアは、1956年コルティナ五輪や2006年トリノ五輪のノウハウを活かし、この課題に挑む。
■ 地域経済に広がる“分散型レガシー”
単一都市開催では、レガシーが都市に偏ることがある。分散型では複数の市・地域に恩恵が広がる点が評価されている。
- ● 観光による地域活性化が広範囲に及ぶ
- ● 既存施設の活用により無駄な投資を抑制
- ● 地方都市の国際知名度向上
■ 環境配慮型大会への一歩
あらゆる五輪でサステナビリティが重視される今、ミラノ=コルティナはその象徴的存在となる。人工雪の最適化、輸送計画の効率化、既存施設活用は環境負荷軽減に寄与する。
■ ミラノ=コルティナが示す“未来の五輪像”
コンパクト・低負担・高効率を掲げる大会は、今後の五輪における新たな標準になる可能性がある。
