大迫傑、34歳で4年9カ月ぶりマラソン日本新 — 1秒に込めた挑戦と葛藤

ATHLETICS

2025年12月8日

大迫傑、34歳で自身3度目の日本新 — バレンシアマラソン2時間4分55秒

12月7日開催のバレンシア・マラソン(スペイン)で、34歳の大迫傑(リーニン)が驚異の走りを見せ、2時間4分55秒(速報値)でフィニッシュした。これまで日本記録だった鈴木健吾の2時間4分56秒を“1秒”だけ塗り替え、4年9カ月ぶりに日本マラソン記録を奪還した。

“1秒”にこめた想い — 苦難と挑戦の34歳

レース後、大迫は自身のSNSを更新。西川雄一朗マネージャーとのツーショット写真とともに、こう綴った(投稿文抜粋)「たくさんの疑念、不安、迷い。そして気づき、沢山のものを削って。そんな中でたった1秒だけど、僕らにはとんでもなくデカイ1秒だった。」挑戦者としての強い意志は多くのファンの胸に深く響いた。

大迫傑 公式Instagramはこちら:Suguru Osako 大迫傑 (@suguru_osako)

レース序盤から中盤まで冷静にペースを刻み、ハーフ通過時には1時間2分41秒(速報値)で中間点を通過。25km以降も力強くペースアップし、最後の2.195kmを粘りの走りでまとめた。最終順位は4位ながら、日本新記録を樹立する劇的な展開となった。

彼の挑戦は単なるタイム更新ではない。2022年に一度「引退」を撤回し、復帰。長年契約していたナイキからリーニンにスポンサーを変更し、独自路線で挑戦を続けてきた。過去の五輪出場や東京マラソンでの日本記録更新、パリ五輪経験も背負いながら、再び歴史を塗り替えた。

【動画】日本新記録!フィニッシュの瞬間:西川雄一朗マネージャーXより

今後に期待 — MGCとロサンゼルス五輪への挑戦

大迫傑の「たった1秒の更新」。その裏には、努力、迷い、不安、復帰後の覚悟があった。34歳での日本新記録更新は、来たるロサンゼルスオリンピック選考(MGC)や日本マラソン界に大きな刺激を与えることだろう。