今井達也、MLB争奪戦はヤンキース&ジャイアンツ&オリオールズが本命? ポスティングで決断迫る日本人エース

BASEBALL

2025年12月2日

埼玉西武ライオンズのエース今井達也が、ポスティングシステムによるMLB挑戦へ──。
NPB公式・西武球団、MLB公式の発表によれば、今井は今オフに正式にポスティングされ、交渉期限は2026年1月2日(米東部時間)までとされています。

2025年シーズンは24試合登板で10勝5敗、防御率1.92、163回2/3で178奪三振。NPBでもトップクラスの成績を残した27歳右腕に対し、ヤンキース、ジャイアンツ、オリオールズなど複数球団が「最優先ターゲット」として動いていると米メディアは報じています。

そもそも今井達也とは?──2025年の成績とプロフィール

まずは、2025年の数字を整理しておきましょう。NPB公式の個人成績によると、今井はレギュラーシーズンで以下のような成績を残しています。

年度球団登板完投完封投球回被安打被本塁打与四球奪三振自責点防御率
2025埼玉西武ライオンズ2410553163 2/3101645178351.92

シーズン途中には横浜DeNA戦で17奪三振完封ソフトバンク相手の継投ノーヒットノーランで8回無安打など、インパクト十分のハイライトも記録。直近4シーズン連続で防御率2点台以下を続けており、MLB公式やESPNからも「現時点で日本最高峰の先発投手のひとり」と高く評価されています。

2025年のパ・リーグ順位表と、西武の立ち位置

今井がエースを務めた西武は、2025年のパ・リーグで5位フィニッシュ。上位との距離感を確認するため、NPB公式の最終順位を簡易表にまとめます。

順位球団試合勝率ゲーム差
1位福岡ソフトバンクホークス14387524.626
2位北海道日本ハムファイターズ14383573.5934.5
3位オリックス・バファローズ14374663.52913.5
4位東北楽天ゴールデンイーグルス14367742.47521.0
5位埼玉西武ライオンズ14363773.45024.5
6位千葉ロッテマリーンズ14356843.40031.5

チームは下位に沈みながらも、個人としてはタイトル級の成績──。
投手としての旬をMLBで試したい」という本人の意思と、西武側の「今がそのときだ」という判断がかみ合い、今オフのMLB挑戦容認につながりました。

ポスティングの条件とタイムライン

西武とNPB、MLB公式の発表を整理すると、今井のポスティング条件は以下の通りです。

  • ポスティング申請受諾:2025年11月10日付で西武が公表
  • MLB側への正式通知:2025年11月18〜19日頃に通達
  • 交渉期間:米国東部時間2025年11月19日8:00〜2026年1月2日17:00
    (日本時間:11月19日22:00〜1月3日7:00)
  • 期間内に契約合意できなければ、2026年は西武残留
  • 契約総額の一定割合が譲渡金として西武に入るポスティングルールを適用

米メディアの予想では、今井の契約規模は5〜8年で総額1億ドル〜2億ドル級とされ、NPB投手としては山本由伸に続くメガディール候補とみられています。

MLB移籍先「三つ巴」? 有力視される3球団を整理

今井の獲得レースについて、複数の現地報道やコラムを総合すると、現時点で名前が頻繁に挙がるのが以下の3球団です(ドジャースは本人のコメントもあり現状有力候補から一歩後退と言われています)。

① ニューヨーク・ヤンキース:コール&フリードとの「Big3」構想

ニューヨーク・ポストやその他の報道によれば、今井はテレビ番組のインタビューで「ドジャースに入るより、倒す側に回りたい」と語り、「日本人が在籍していないチームで挑戦したい」意向も示したとされています。その条件に合致する筆頭候補が、現在日本人選手が在籍していないヤンキースです。

さらに別の報道では、ヤンキースはすでにゲリット・コール+マックス・フリードという二枚看板に、今井を加えた「先発Big3」構想を描いているとも伝えられています。
広いヤンキースタジアムと強力打線を背景に、「安定してイニングを食える先発」を求めるフロントのニーズと、イニングワーカーとしての今井の特性はかなり相性が良いと言えそうです。

② サンフランシスコ・ジャイアンツ:西海岸& pitcher-friendly な本拠地

サンフランシスコ・ジャイアンツは、アジア市場を重視した補強戦略の一環として、今井を含む複数のNPB投手を重点スカウティングしていると報じられています。一部メディアは「ヤンキースを上回る本命」とまで表現する一方で、別の報道では「そこまで本気ではない」という見方もあり、情報は割れているのが正直なところです。

ただ、投手目線で見ると、オラクル・パークは本塁打が出にくいボールパークとして有名で、被本塁打が少ない今井との相性は良好。ナ・リーグ西地区という強豪ひしめく環境で、「ドジャースを倒したい」というモチベーションも満たしやすい舞台です。

③ ボルチモア・オリオールズ:若い先発陣の“エース役”として

MLB Trade Rumorsなどによれば、オリオールズは今オフ、打線の補強だけでなくローテーション上位を任せられる先発投手の獲得も検討しており、その候補のひとりとして今井の名前が挙がっています。

近年のオリオールズは、自前の有望投手と若い打線でポストシーズンの常連となりつつある一方、ビッグネーム投手のFA補強には慎重でした。そこに、年齢的にもピークに入る27歳の今井を“事実上のエース”として迎えるプランは、チームの成長曲線と合致しているようにも見えます。

西武ライオンズは何を失い、何を得るのか

西武にとって、今井のMLB挑戦容認はチームの屋台骨を送り出す決断です。球団本部長は公式コメントで「近年チームに大きく貢献してくれた選手。抜ける影響は大きい」と認めつつ、「若手の成長や編成面で戦力を整えて戦う」と語っています。

  • マイナス面:ローテーションの絶対的エース不在、イニングイーターの喪失
  • プラス面:大型契約に伴う譲渡金の獲得、若手先発陣にとっての“枠”が空く
  • イメージ面:2年連続でエース級がMLBへ挑戦する「世界へ送り出す球団」としてのブランド強化

西武はすでに髙橋光成もポスティング移籍を容認しており、「ダブルエース流出」というインパクトは小さくありません。一方で、太田・隅田ら若手先発への世代交代を一気に進めるきっかけにもなります。

X・YouTubeで振り返る「今井ポスティング」とファンの反応

ここからは、なるべく公式アカウント中心に、今井のMLB挑戦を巡るポストと動画をピックアップします(埋め込みは環境によって表示に時間がかかる場合があります)。

パ・リーグTV公式:ポスティング申請発表

MLB公式:27歳右腕・今井を紹介するポスト

ライオンズ公式:ファン感謝デーでの今井

【公式】西武ライオンズハイライト:完封劇の一戦

英語圏向け解説:How Good is Tatsuya Imai?

コラム:『ドジャースを倒したい』エースは、どんな決断を下すのか

今井はテレビ番組で、「ドジャースに入るより、倒す側に回りたい」と語ったと報じられています。すでに大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希らがいる“銀河系軍団”に加わるのではなく、あえて敵として立ち向かう道を選びたいというスタンスです。

その言葉を額面どおりに受け取るなら、

  • ヤンキースのような「東海岸の伝統球団」でエース格として投げるのか
  • ジャイアンツで、西海岸からドジャースに挑むのか
  • あるいはオリオールズやフィリーズなど、意外な“新興勢力”を選ぶのか

いずれにせよ、今井がどの球団とサインしても、西武で積み上げてきた「三振を奪い、イニングを食い、試合を作る」スタイルが変わるわけではありません。
日本のファンとしては、「うちにはこんな投手がいた」と胸を張れる存在になってほしい──その願いは、西武ファンに限らず、NPBファン共通のものではないでしょうか。

交渉期限まで残された時間は多くありません。
この冬、今井達也がどの球団のユニフォームを選ぶのか──。その決断の瞬間を、固唾をのんで見守りたいところです。