2025年シーズンが終わり、読売ジャイアンツでも“別れの季節”が本格化しました。12月7日時点で判明している引退・退団・自由契約の動きを、公式発表やNPB公示をもとに整理します。
球団の顔として愛された長野久義、オリックスから移籍して2年でユニホームを脱いだ近藤大亮、10年間走り回った重信慎之介、そしてオコエ瑠偉の「異例の自由契約」まで──2025年オフの巨人を象徴する“別れの名簿”です。
1. 引退選手:長野久義・近藤大亮・重信慎之介
まずは、今季限りで現役引退を選んだ3選手から振り返ります。
| 選手 | ポジション | 巨人在籍 | トピック |
|---|---|---|---|
| 長野 久義 | 外野手 | 2010〜2018、2022〜2025 | ファンフェスタ2025内で引退セレモニー。新人王、首位打者、最多安打のタイトルを持つ“ミスター逆転男”。 |
| 近藤 大亮 | 投手(右腕) | 2024〜2025 | 9月に「今年ダメなら引退」の覚悟を貫き現役引退。オリックス時代を含め通算204登板の中継ぎ右腕。 |
| 重信 慎之介 | 外野手 | 2016〜2025 | 戦力外通告後、11月に自身のSNSで現役引退を表明。代走・守備・バントなど“縁の下の力持ち”として10年プレー。 |
長野は11月23日のジャイアンツ・ファンフェスタ2025で引退セレモニー。阿部慎之助監督や坂本勇人から花束を受け取り、涙ながらにファンへ感謝を伝えました。
近藤は、シーズン前から「活躍できなければ引退」と決めて臨み、右肩の大けがから復活を目指しながらも、自らの言葉に責任を取る形でバットを置く決断。
重信はインスタグラムで「上手くいかないことがほとんどだったが、そのすべてが財産」と10年のプロ生活を総括しました。
2. 自由契約・退団選手一覧(12月2日公示ベース)
NPBが12月2日に公示した自由契約選手リストでは、巨人から多くの投手・外野手が「保留されない選手」として名を連ねました(※背番号・ポジションは2025年シーズン時点)。
| 区分 | 選手 | ポジション | 備考 |
|---|---|---|---|
| 引退+自由契約 | 長野 久義 | 外野手 | ファンフェスタで引退セレモニー。NPB公示上は「保留されない選手(自由契約)」扱い。 |
| 引退+自由契約 | 近藤 大亮 | 投手 | 球団発表で引退。NPB公示では自由契約に。 |
| 引退 | 重信 慎之介 | 外野手 | 戦力外通告後に自身のSNSで引退表明。 |
| 自由契約 | 今村 信貴 | 投手 | 左腕。先発・中継ぎで活躍したが、近年は故障もあり出場機会減。 |
| 自由契約 | 高橋 礼 | 投手 | アンダースロー右腕。ソフトバンクから移籍後2年で退団。 |
| 自由契約 | F.グリフィン | 投手 | 3年連続でローテを支えた先発左腕。今季も防御率1点台と安定も、契約満了で退団。 |
| 自由契約 | K.ケラー | 投手 | 中継ぎ助っ人右腕。 |
| 自由契約 | 馬場 皐輔 | 投手 | 阪神から移籍の右腕。今後は他球団移籍の可能性も。 |
| 自由契約 | 石田 充冴 | 投手 | 中継ぎ左腕。主にファームで登板。 |
| 自由契約 | 戸田 懐生 | 投手 | 育成から這い上がった右腕。支配下登録経験あり。 |
| 自由契約 | 京本 眞 | 投手 | 若手右腕。今後の去就に注目。 |
| 自由契約 | 喜多 隆介 | 捕手 | 育成出身捕手。リード面を評価されていた。 |
| 自由契約 | M.フルプ | 外野手 | シーズン途中に支配下昇格した新助っ人外野手。 |
| 自由契約 | E.ヘルナンデス | 外野手 | パワー型の右打者。 |
| 自由契約 | 乙坂 智 | 外野手 | DeNA〜メキシコリーグを経て巨人入り。外野のバックアップとしてプレー。 |
| 自由契約 | 笹原 操希 | 外野手 | 元育成の外野手。支配下登録を経験した若手。 |
| 自由契約 | 鈴木 大和 | 外野手 | 今季途中に支配下昇格を勝ち取った外野手。 |
| 異例の自由契約 | オコエ 瑠偉 | 外野手 | 後述の通り、戦力外通告ではなく、双方合意による「保留者名簿から外す」形で自由契約に。 |
このほか、育成選手の契約整理や、来季に向けた育成再契約予定の選手も存在しますが、ここでは一軍戦力として名前を聞く機会の多かった選手を中心にまとめました。
3. オコエ瑠偉「戦力外通告なしの自由契約」という異例
今オフの巨人で、もっとも話題を呼んだのがオコエ瑠偉の退団です。球団は11月28日に公式サイトで、「来季以降の活躍の場について話し合いを重ねた結果、海外リーグを含めた他球団でのプレー機会を設けるべき」とし、保留者名簿に記載しない=自由契約とすることを発表しました。
通常であれば、契約しない選手には「戦力外通告」が出され、そのうえでトライアウト参加など再就職の機会が設けられます。今回のケースは、戦力外の期間を過ぎたタイミングでの双方合意による自由契約とあって、「異例」としてメディアでも大きく取り上げられました。
オコエ自身は、球団を通じて
「海外野球を含めた他チームへの挑戦を認めていただきました。3シーズン、ファンや監督、コーチ、チームメート、球団スタッフの皆様には感謝の気持ちしかありません」
とコメント。11年目となる来季は、日本にとどまるのか、それとも海外へ飛び出すのか。巨人を離れても、その動向は多くのファンが追い続けることになりそうです。
4. 巨人は何を失い、何を手にしたのか──“別れのオフ”をどう見るか
ここまで見てきたように、2025年オフの巨人は
- 長野・近藤・重信というベテラン&中堅の引退
- グリフィン、ケラー、ヘルナンデス、フルプら助っ人外野&投手陣の退団
- オコエの“電撃自由契約”
と、一軍のベンチから見慣れた顔が一気に姿を消したオフになりました。
戦力面で見れば、
- 先発左腕グリフィンの退団 → ローテの柱を一本失う
- 中継ぎ・ワンポイントとしての近藤、馬場、高橋礼 → ブルペンの厚みが課題
- 外野の控え層(長野、重信、オコエ、乙坂など) → 若手&新戦力へ完全世代交代
という形で、経験値を一度リセットしてまで世代交代を進める決断にも映ります。一方で、ドラフトでの大量指名や新外国人補強も進んでおり、空いた枠には「次の10年」を見据えた選手たちが入ってくることになります。
ファンとしては寂しさが大きい別れのオフですが、「誰の穴を誰が埋めるのか」を考えることで、来季のキャンプやオープン戦を見る楽しみも増えてくるはずです。
5. 動画&ポストで振り返る“別れの瞬間”
最後に、なるべく公式アカウント中心に、2025年オフの“別れの瞬間”を切り取ったX・YouTubeの投稿をいくつかピックアップします(埋め込みは環境によって表示に時間がかかる場合があります)。
長野久義 引退セレモニー(ファンフェスタ2025)
近藤大亮 引退試合&“惜別2025”
オコエ瑠偉「異例の自由契約」発表
12月2日自由契約公示:グリフィン、ケラー、ヘルナンデスら
別れの数だけ、来季の出番を待つ選手たちがいます。2026年の東京ドームで、どんな新しい顔ぶれが一軍ベンチに並ぶのか──“その前日譚”として、この冬の引退&退団を記録しておきたいところです。
