読売ジャイアンツの主砲・岡本和真と、埼玉西武ライオンズの右腕エース・髙橋光成が、ポスティングシステムを利用してMLB移籍に挑戦することが正式に発表されました。MLB公式サイトやNPB公式サイトによると、両選手の交渉期間は現地時間11月21日午前8時から翌年1月4日午後5時までの45日間。契約がまとまらなかった場合は、所属球団に残留することになります。
岡本和真:セ・リーグを代表する右の大砲
MLB公式の紹介によると、岡本は29歳にしてNPB通算248本塁打を放っている右のスラッガーで、2018年から2023年にかけて6年連続で30本塁打以上を記録した“安定した長距離砲”です。2025年シーズンは左肘の負傷で出場69試合にとどまったものの、打率.327、15本塁打、49打点、出塁率.416、長打率.598と、短期間で圧倒的な打撃成績を残しました。
守備位置は三塁と一塁をこなし、近年は三塁での出場が多いものの、一塁も十分に守れるユーティリティ性を持ちます。パワーだけでなく、三振率が極端に高くない点や、四球も選べる点がMLB側でも高く評価されており、「即戦力の中軸候補」として複数球団が関心を示していると報じられています。
髙橋光成:イニングを食えるライオンズのエース右腕
一方の髙橋光成(28歳)は、西武のドラフト1位として入団後、長年ローテーションを支えてきた右腕です。パ・リーグ公式サイトなどの情報によれば、2025年は24試合に登板して8勝9敗、防御率3.04、148イニングを投げ、88奪三振・41四球という成績を残しました。
2022〜2023年にかけて防御率2点台前半、2021〜2023年には3年連続2ケタ勝利を挙げるなど、NPBで“イニングイーター”としての評価を確立。2024年は0勝11敗、防御率3.87と苦しんだものの、2025年にきっちり立て直し、ポスティング申請に踏み切りました。
2025年のチーム成績と「立場」の変化
NPB公式の最終成績によると、2025年シーズンのセ・リーグとパ・リーグの順位表は以下の通りです。
| チーム | 試合 | 勝 | 敗 | 分 | 勝率 | ゲーム差 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 阪神 | 143 | 85 | 54 | 4 | .612 | – |
| DeNA | 143 | 71 | 66 | 6 | .518 | 13.0 |
| 読売 | 143 | 70 | 69 | 4 | .504 | 15.0 |
| 中日 | 143 | 63 | 78 | 2 | .447 | 23.0 |
| 広島 | 143 | 59 | 79 | 5 | .428 | 25.5 |
| ヤクルト | 143 | 57 | 79 | 7 | .419 | 26.5 |
| チーム | 試合 | 勝 | 敗 | 分 | 勝率 | ゲーム差 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ソフトバンク | 143 | 87 | 52 | 4 | .626 | – |
| 日本ハム | 143 | 83 | 57 | 3 | .593 | 4.5 |
| オリックス | 143 | 74 | 66 | 3 | .529 | 13.5 |
| 楽天 | 143 | 67 | 74 | 2 | .475 | 21.0 |
| 西武 | 143 | 63 | 77 | 3 | .450 | 24.5 |
| ロッテ | 143 | 56 | 84 | 3 | .400 | 31.5 |
ジャイアンツは3位、西武は5位と、いずれもリーグ制覇には届かなかったものの、“チームの顔”として岡本と髙橋が果たした役割は極めて大きいものでした。そんな二人が一度に海を渡ることは、両球団の編成にとっても大きな転換点となります。
2023年WBC決勝で見せた「世界レベル」の打撃
岡本といえば、2023年WBC決勝での本塁打も記憶に新しいところです。米国との決勝戦で、コロラド・ロッキーズ左腕カイル・フリーランドから放った一発は、日本にとって貴重な追加点となり、最終的な3–2での勝利に直結しました。
その意味で岡本は、すでに“世界レベルの投手を相手に長打が打てる”ことを証明済みの打者でもあります。MLBのスカウト陣にとっても、WBCでのパフォーマンスは評価の重要な材料になっているはずです。
ポスティングの条件と移籍市場での評価
ポスティングシステムでは、契約総額の20%(最初の2,500万ドルまで)、次の2,500万ドル部分の17.5%、それを超えた部分の15%が譲渡金としてNPB球団に支払われる仕組みになっています。そのため、岡本の契約規模が大きくなればなるほど、ジャイアンツ側にも一定のメリットが生じる構図です。
米メディアの予想では、岡本に4年6400万〜7800万ドル規模の契約が提示される可能性もあるとされています。一方の髙橋は、先発ローテーションの4〜5番手クラスとして中堅球団を中心に関心を集めており、複数年契約か、インセンティブを含んだ短期契約になるかが焦点となりそうです。
試合展開を変える「新たな日本人コンビ」誕生なるか
仮に岡本と髙橋が同じMLB球団に所属するような展開になれば、“日本人バッテリー+主砲”といった新たな物語が生まれるかもしれません。岡本の一発で先制し、髙橋が7回2失点でゲームメイク——そんな試合展開がメジャーの舞台で見られる可能性も十分にあります。
いずれにせよ、2025〜26年オフのMLB移籍市場において、岡本和真と髙橋光成は“要注目銘柄”であることは間違いありません。交渉期限の1月初旬まで、どの球団がどのような条件を提示し、二人がどのユニフォームに袖を通すのか——日本とアメリカの野球ファンが固唾をのんで見守る冬になりそうです。
