岡本和真＆高橋光成、ダブルポスティングの衝撃
2025年オフ、日本球界の主役が次々とメジャーへの扉を叩いている。読売ジャイアンツは11月18日、主砲・岡本和真のポスティング申請手続きを日本野球機構（NPB）に行ったと公式発表した。埼玉西武ライオンズもエース・高橋光成について、MLB球団との交渉期限を定めたうえでポスティングを容認し、球団から世界へと舞台を移すことを後押ししている。
ポスティング制度と交渉期限：45日間の“勝負の冬”
MLBとの間で結ばれている日米間協定に基づき、ポスティング対象選手はMLB全30球団と＜原則45日間＞交渉することができる。MLB公式サイトは、岡本について「ポスティングされれば45日間の交渉期間が設けられる」と説明しており、期間内に契約がまとまれば契約総額に応じた譲渡金が巨人へ支払われると伝えている。
一方、高橋光成については、西武ライオンズが公式サイトで交渉期限を明示。米東部時間2025年11月21日午前8時から2026年1月4日午後5時（日本時間では11月21日22時〜1月5日7時）までが交渉期間とされ、譲渡金支払いの意思を持つ全MLB球団と契約交渉が可能だとしている。
| 選手名 | 所属 | ポジション | 交渉期間（日本時間） |
|---|---|---|---|
| 岡本 和真（29） | 読売ジャイアンツ | 内野手 | ポスティング完了後、45日間 |
| 高橋 光成（28） | 埼玉西武ライオンズ | 投手 | 2025年11月21日22時〜2026年1月5日7時 |
※交渉期間は日米間協定および各球団、MLB公式・専門メディアの報道に基づく。
巨人の4番・岡本和真が選んだ「メジャーで勝負する」という決断
10月22日に行われた会見で、岡本は「厳しい世界だと分かっている。そのうえで勝負したい」と、迷いのない表情で決意を語った。今季、左肘の負傷で戦列を離れる時期がありながら、復帰後は限られた試合数で長打力と高いOPSを示し、MLB公式も通算248本塁打、打率.277、出塁率.361、長打率.521という数字を紹介しながら「NPBを代表する右のスラッガー」と評価している。
2018年から6年連続で30本塁打以上を放ち、2023年には41本塁打で自身3度目の本塁打王。侍ジャパンの一員として出場した2023年WBC決勝では、米国代表から値千金の本塁打を放ち、日本の世界一に大きく貢献した。そうした実績があるからこそ、「世界一のリーグで、自分がどこまで通用するのかを確かめたい」という思いは揺るぎない。
巨人にとっては4番打者であり得点源を同時に失うリスクを伴うが、球団は「彼の描いている夢をバックアップしたい」として容認。チームは今季セ・リーグ3位でCSファーストステージ敗退に終わったが、岡本の挑戦は、今後の編成・打線再構築とも密接に結びついた重要なテーマになる。
西武のエース・高橋光成、積み重ねたイニングと信頼
高橋は群馬・前橋育英高からドラフト1位で西武入りし、1年目から5勝2敗・防御率3点台前半と頭角を現した。その後も4度の2桁勝利をマークし、2022〜2023年の2シーズンで合計330回2/3を投げ、防御率2.20、WHIP1.13という安定した数字を残したと専門メディアは伝えている。
2024年には悪夢の開幕11連敗も経験したが、翌2025年は24試合先発で8勝9敗、防御率3.04と立て直し、リーグを代表する先発投手としての地位を再確認させた。長期にわたりローテーションの柱を務めてきた右腕のポスティング容認は、西武にとっても大きな決断だが、球団は「海外挑戦という長年の夢を尊重する」形で背中を押している。
今オフは、西武から今井達也もポスティングでのMLB挑戦を表明しており、岡本、高橋、今井、そしてヤクルト・村上宗隆を合わせた「4人の日本人スター」が同時期にMLB契約を目指す、かつてない“メジャー移籍ラッシュ”となっている。
NPBとMLBをつなぐ「ポスティングの冬」をどう見るか
ポスティング制度は、選手の夢と球団経営のバランスの上に成り立つ仕組みだ。球団は主力を失う痛みを抱える一方で、譲渡金という形で新たな投資の原資を得ることもできる。ファンは複雑な思いを抱えながらも、かつてのエースや4番がメジャーで躍動する姿を期待し、深夜・早朝の中継に歓声を上げてきた。
岡本がメジャーでどのポジションを務めるのか、高橋の武器である力強いフォーシームと多彩な変化球が、MLB打者相手にどこまで通用するのか。45日間の交渉の行方とともに、来春以降の舞台、さらにはNPB各球団の補強・若手起用の方針まで、今オフのポスティングは日本野球全体の構図をも大きく揺さぶることになりそうだ。
X・YouTubeで深掘りする「メジャー挑戦のリアル」
ここからは、ポスティングに関する公式・メディア発信のポストや動画をピックアップする。気になるファンはぜひチェックしておきたい。
