WINTER NOTE――ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックへの最後の切符を懸けた「2025オリンピック世界最終予選」が、現地12月5日からカナダ・ケロウナ(Kelowna)で行われます。男子・女子4人制にSC軽井沢クラブとフォルティウス、ミックスダブルスに小穴桃里/青木豪組。3つの日本代表が、世界の強豪とともに残り2枠の座を争います。
2025オリンピック世界最終予選とは?大会方式をおさらい
大会は世界カーリング連盟(World Curling Federation)が主催し、ケロウナ・カーリングクラブを舞台に12月5〜18日の日程で開催されます。女子・男子・ミックスダブルスの3種目で、それぞれ残り2つのオリンピック出場枠が決まります。
女子・男子は各8カ国による総当たりのラウンドロビンを行い、上位3カ国がプレーオフへ。予選1位と2位が「決定戦1」を戦い、勝者が五輪出場権を獲得します。敗れたチームは、予選3位チームと「決定戦2」を戦い、ここで勝った方がもう1枚の切符を手にします。
ミックスダブルスは16組がA・Bの2グループ(各8組)に分かれて予選リーグを戦い、各組1位同士が「決定戦1」で対戦。勝者が五輪出場権を得ます。敗れたチームは、各組2位同士の「決定戦進出決定戦」の勝者と「決定戦2」を戦い、ここでもう1枠を争います。(大会方式は日本カーリング協会およびWorld Curling公式サイトより)
開幕前時点のラウンドロビン出場国一覧(全チーム0勝0敗)
※最新の順位表はWorld Curling公式ライブスコアを参照してください。
| 種目 | 出場国 |
|---|---|
| 男子 | 中国、日本、韓国、オランダ、ニュージーランド、フィリピン、ポーランド、アメリカ |
| 女子 | オーストラリア、チェコ、エストニア、ドイツ、日本、ノルウェー、トルコ、アメリカ |
| ミックスダブルスA組 | オーストリア、チェコ、フィンランド、ドイツ、日本、韓国、ラトビア、トルコ |
| ミックスダブルスB組 | オーストラリア、中国、デンマーク、スペイン、フランス、ハンガリー、オランダ、ニュージーランド |
▶ ライブスコア&最新順位:Olympic Qualification Event 2025 – Live Scores(World Curling公式)
男子:SC軽井沢クラブ、2大会ぶりの五輪出場へ
男子日本代表は、長野県・軽井沢を拠点とするSC軽井沢クラブ。栁澤李空(フォース)、山口剛史(スキップ)、山本遵、小泉聡、臼井槙吾の5人で世界最終予選に臨みます。9月の日本代表決定戦では、北海道コンサドーレとのベスト・オブ・ファイブを通算3勝1敗で制し、このケロウナ行きの切符をつかみました。
世界最終予選では、中国、韓国、アメリカなど実力国との対戦が続きます。JOCの大会プレビューでも「アメリカの力が抜けており、中国、韓国も手ごわい」と評されるハイレベルなフィールド。その中で、日本は終盤勝負に強い山口のゲームメイクと、前半からプレッシャーをかける栁澤のビッグショットで、接戦をもぎ取る展開を狙います。
女子:フォルティウス、8大会連続出場のバトンをつなげるか
女子日本代表は札幌のフォルティウス。スキップ吉村紗也香、サード小野寺佳歩、セカンド小谷優奈、リード近江谷杏菜、リザーブ小林未奈の布陣です。9月の日本代表決定戦では、ロコ・ソラーレやSC軽井沢クラブとの激戦を勝ち抜き、日本代表の座を射止めました。
世界最終予選の女子は、アメリカ、ノルウェー、トルコなど欧米の強豪がひしめく全8カ国。JOCのプレビューによれば、日本はストーン配置で主導権を握られた世界選手権の反省を踏まえ、有利な後攻を生かして複数得点のチャンスをどれだけ作れるかが鍵になります。最後に吉村が放つ一投へ、4人がどう「物語」をつくるのか――そこに注目です。
ミックスダブルス:小穴桃里/青木豪、日本初の五輪出場を目指して
ミックスダブルス日本代表は、小穴桃里/青木豪組。9月の日本代表決定戦で、松村千秋/谷田康真組らを抑えて代表権を獲得しました。国際ツアーでも実績を重ねる2人は、世界トップレベルのショット力と駆け引きで、日本勢として初めてのミックスダブルス五輪出場を狙います。
グランドスラム・オブ・カーリングの特集によれば、このペアは海外遠征を重ねながらミックス専門で腕を磨いてきた「国際派コンビ」。前半で積極的に仕掛けてハウス内を複雑にし、最後は青木のビッグショットで局面を一気にひっくり返す――そんな大胆な試合運びが真骨頂です。
どう観る?放送・配信情報
日本カーリング協会の発表によると、4人制の試合はNHK総合およびNHK BSで、ミックスダブルスはNHK BSで中継予定。また、World Curling公式の配信サイト「Curling Channel」でもオンライン中継が予定されています(視聴には有料登録が必要な場合があります)。
時間の都合でリアルタイムでは見られないという方も、ハイライト動画や見逃し配信で、日本代表の一投一投を追いかけることができます。
WINTER NOTE:ケロウナから続く、日本カーリングの物語
コンサドーレとの死闘を制したSC軽井沢クラブ、ロコ・ソラーレとの熾烈な代表争いを勝ち抜いたフォルティウス、そしてミックスダブルスで新たな歴史を切り開こうとする小穴/青木組。すべての道が、このケロウナのシートに集まってきました。
ラウンドロビンでの一勝一敗に一喜一憂しながらも、日本チームは淡々と、しかし確かに前へ進んでいくはずです。ストーンが止まるその瞬間まで何が起きるかわからないのがカーリング。WINTER NOTEとしては、「最後の一投まで、楽しみ尽くす」ことをおすすめしたいと思います。
最新のスコアや詳しいスケジュール、ルール解説などは、以下の公式サイトからチェックしてみてください。
