フィギュアスケートGPファイナル2025-26(名古屋・IGアリーナ)の男子ショートプログラムで、鍵山優真(オリエンタルバイオ/中京大)が108.77点の自己ベストをマークして首位発進。2位に佐藤駿、3位に世界王者イリア・マリニンが続き、男子シングルはいきなりハイレベルな日本勢ワンツーで幕を開けました。
GPファイナル男子SP:スコアと順位を整理
まずは男子ショートのスコアと順位を、公式リザルトをもとに整理します。
GPファイナル2025-26 男子ショート結果(12月4日終了時点)
出典:ISU公式リザルト
| 順位 | 選手 | 国 | 得点(TSS) |
|---|---|---|---|
| 1位 | 鍵山優真 | 日本 | 108.77 |
| 2位 | 佐藤駿 | 日本 | 98.06 |
| 3位 | イリア・マリニン | アメリカ | 94.05 |
| 4位 | ダニエル・グラスル | イタリア | 94.00 |
| 5位 | アダム・シャオ・イム・ファ | フランス | 78.49 |
| 6位 | ミハイル・シャイドロフ | カザフスタン | 71.30 |
※正式なスコア・詳細内訳はISU公式サイトのリザルトページを参照してください。
4T-3T、4S、3A…「全部決めた」自己ベスト108.77点
この日の鍵山のショート構成は、4回転トウループ-3回転トウループのコンビネーション、4回転サルコウ、3回転アクセルという3本の大技をすべて着氷。スピンとステップも安定してまとめ、技術点(TES)は61点台、演技構成点(PCS)は47点台に乗せて、合計108.77点という自己ベストに到達しました。
北京オリンピックの銀メダルシーズン以来、ショートのスコア更新は約4年ぶり。リンクを降りたあと、キス&クライで思わず飛び跳ねるようなリアクションを見せたのも印象的でした。
一方、3連覇を狙うマリニンは、冒頭の4回転アクセル-3回転トウループのコンビネーションでステップアウト。得意の超高難度ジャンプ構成がわずかに乱れ、94.05点で3位スタートとなりました。
コメント「まだ高いところを目指せる」――“4年間の壁”を越えて
演技後のインタビューで、鍵山は次のように語っています。
「今日はしっかりと自分に集中できた。4年間、自分の高い壁に阻まれてきたけど、自己ベストを更新できたことで、まだ高いところを目指せる伸びしろを感じられた」
GPシリーズ2連勝でたどり着いた“ホーム・ファイナル”のリンク。地元・愛知の観客の前で、北京五輪以来となるショート自己ベストを更新し、来年のミラノ・コルティナ五輪に向けた重要なステップとなる一夜になりました。
世界ランキングではマリニンに次ぐ2位、日本勢はトップ6に2人
ISU世界ランキング(2025年12月1日現在)では、鍵山は男子シングルで2位。1位のマリニンとともに、男子シングル界の「2強」として名実ともに世界のトップに立っています。
男子シングル世界ランキング(2025年12月1日現在)※抜粋
出典:フィギュアスケート速報/ISU World Standings
| 順位 | 選手 | 所属国 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1位 | イリア・マリニン | アメリカ | 5010 |
| 2位 | 鍵山優真 | 日本 | 4452 |
| 3位 | アダム・シャオ・イム・ファ | フランス | 4093 |
| 4位 | ミハイル・シャイドロフ | カザフスタン | 3960 |
| 5位 | 佐藤駿 | 日本 | 3697 |
| 6位 | ルーカス・ブリッチギー | スイス | 3494 |
今季の鍵山優真:NHK杯&フィンランディア杯を制して“30ポイント進出”
鍵山は今季、グランプリシリーズのNHK杯(門真)とフィンランディア杯(ヘルシンキ)に出場し、いずれも優勝。NHK杯ではSP・フリーともに高得点を連発して287.24点で優勝、フィンランディア杯ではショート3位からフリー1位に巻き返して逆転優勝を飾っています。
シリーズ2勝でグランプリポイント30点を獲得し、余裕を持ってファイナル進出を決めた今季。その集大成となる舞台で、ショート自己ベストという形でまず一歩リードを奪いました。
フリーへ向けて――“攻める”か、“まとめる”か
フリーでは、どこまでジャンプ構成を攻めるか、それとも五輪シーズンに向けて「勝ち切る」ための構成にまとめるのか――鍵山陣営の選択にも注目が集まります。
世界ランキング1位のマリニンは、4回転アクセルを含む超高難度構成で巻き返しを狙うはず。日本勢ワンツーで終えるのか、それとも「マリニン vs 鍵山」の頂上決戦になるのか。男子シングルのフリーは、来年のミラノ・コルティナ五輪を占う意味でも、見逃せない一戦になりそうです。
