カーリング女子日本代表フォルティウス、ノルウェー撃破でミラノ五輪切符!吉村紗也香が5度目の挑戦でつかんだ初五輪

WINTER SPORTS

2025年12月12日

カーリング女子日本代表「フォルティウス」(スキップ:吉村紗也香)が、カナダ・ケロウナで行われているオリンピック世界最終予選「Olympic Qualification Event 2025」のプレーオフ第1戦でノルウェーを6−5で撃破。ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックの出場権第1号をつかみました。

前日の1次リーグ最終戦ではノルウェーに逆転負けを喫した日本でしたが、プレーオフでリベンジに成功。女子カーリング日本代表は、競技が正式種目となった1998年長野大会から8大会連続での五輪出場を決めました。

試合展開:我慢比べを制した6−5の接戦

試合はノルウェーの先手でスタート。第1エンドに1点を先制され、日本は0−1と追いかける展開になりました。第2エンド、後攻の日本はスキップ・吉村紗也香のドローショットが決まり、2点獲得で2−1と逆転します。

しかし第3エンド、ノルウェーのクリスティン・スカスリエンがテイクアウトを決めて2点を返し、日本は2−3と再びビハインドに。第4エンドで日本が1点を取り返して3−3の同点に追いつくと、第5エンドはスカスリエンのラストショットがショート気味となり、日本がスチール。4−3と日本が再びリードします。

第6エンドはノルウェーが1点を奪って4−4の同点。第7エンドはブランクとなり、勝負は終盤へ。第8エンド、日本は再び吉村のドローで確実に1点を積み上げ、5−4とリードを奪いました。

第9エンド、ノルウェーには2点のチャンスがありましたが、スカスリエンのショットがわずかに重く、結果的に1点止まり。スコアは5−5となり、後攻・日本のまま最終第10エンドへ。

第10エンド、日本はラストストーンを残した状態で1点をセーブ。ノルウェーの最後の一投がショートに終わると、日本は投げる必要もなく勝利が決定しました。最終スコアは6−5。前日に黒星を喫した相手から、最高の形でリベンジを果たしての五輪切符となりました。

「準備してきたことを全部出し切った」吉村紗也香の言葉

世界カーリング連盟(World Curling)の公式サイトによると、試合後の吉村は「タフな試合だったけれど、勝利をつかんだとき、やるべきことはすべてやり切ったと感じた」と手応えを語っています。

日本メディアの取材に対しては、母としての一面ものぞかせました。高校生の頃から挑み続けてきた五輪の舞台に、5度目の挑戦でついに到達。「帰国したら息子に『ママ、頑張ったよ』と伝えたい」と話し、2歳になる息子への“少し早い誕生日プレゼント”になったと笑顔を見せています。

チーム「フォルティウス」は、スキップ吉村紗也香、サード小野寺佳歩、セカンド(バイススキップ)小谷優奈、リード近江谷杏菜、オルタネイト小林未奈、コーチ船山弓枝という布陣。長く日本女子カーリング界を支えてきたメンバーと新世代が融合したチームが、ついにミラノ・コルティナ2026の切符をつかみました。

大会概要:Olympic Qualification Event 2025とは?

オリンピック世界最終予選「Olympic Qualification Event 2025」は、カナダ・ケロウナのケロウナ・カーリングクラブで12月5〜18日の日程で開催されています。女子・男子・ミックスダブルスの3種目で行われ、各種目で残る2枠の国・地域オリンピック委員会(NOC)を決める、まさに“最後のチャンス”の大会です。

女子大会には、日本、ノルウェー、アメリカ、ドイツ、トルコ、エストニア、オーストラリア、チェコの8カ国が出場。ラウンドロビン(総当たり)7試合ののち、上位3チームがプレーオフに進み、2つの五輪出場枠を争いました。

女子最終順位(Olympic Qualification Event 2025 / Kelowna)

以下の順位表は、World Curling 公式ライブスコア(livescores.worldcurling.org)の「Final Standings: Women」に基づいています。

順位 チーム 備考
1位 日本(JPN) プレーオフ第1戦でノルウェーに6−5勝利、ミラノ・コルティナ2026出場権獲得
2位 アメリカ(USA) 最終プレーオフでノルウェーを下し、2つ目の五輪枠を獲得
3位 ノルウェー(NOR) ラウンドロビン1位通過も、プレーオフで2連敗
4位 ドイツ(GER) プレーオフ進出は逃すも、終盤に勝ち星を重ねて4位
5位 トルコ(TUR) 中盤までプレーオフ争いに食い込む健闘
6位 エストニア(EST) 若いチームで経験を積む大会に
7位 オーストラリア(AUS) 強豪相手に善戦を見せるも白星に結びつかず
8位 チェコ(CZE) 最終戦で初白星を挙げて大会を締めくくる

関連リンク・SNS埋め込み

試合の詳細やハイライトは、以下の公式サイト・SNS・動画でもチェックできます。

World Curling公式Xポスト

Olympics公式Xポスト(プレーオフ進出チーム紹介)

女子日本代表の戦いを振り返るYouTube動画

公式のライブ配信やハイライトは有料配信プラットフォーム「Curling Channel」などで提供されていますが、大会の雰囲気がわかるハイライト動画も公開されています。

ミラノ・コルティナ本大会では、吉村紗也香率いるフォルティウスがどこまで勝ち上がるのか。日本女子カーリングの新たな歴史に注目です。