プレダッツォの風をつかめ――スキージャンプはスロベニアと日本の二強時代へ【ミラノ・コルティナ2026】
2月6日に開幕する第25回冬季オリンピック・ミラノ・コルティナ2026。スキージャンプは、イタリア北部バル・ディ・フィエンメのプレダッツォ・スキージャンプスタジアムを舞台に、2月7〜16日にかけて全6種目が行われる。今季のワールドカップを牽引してきたのは、男子のドメン・プレブツ(スロベニア)と女子のニカ・プレブツ(スロベニア)のプレブツ兄妹、そして日本の小林陵侑、二階堂蓮、丸山希ら日本勢だ。オリンピック本番でも「スロベニア vs 日本」の構図が色濃くなりそうだ。
会場のプレダッツォは、長年ノルディック世界選手権を開催してきた伝統のジャンプ台を全面改修し、2025年夏にオリンピック仕様として再オープンしたばかり。ノーマルヒルはヒルサイズHS107(K点98m)、ラージヒルはHS141(K点128m)へと延長され、最大5000人の観客が詰めかける近代的なスタジアムに生まれ変わった。標高と風の影響も大きい「技術的にもっとも難しいヒルのひとつ」と評される舞台で、新たなオリンピックチャンピオンが誕生する。
スキージャンプ6種目のプログラム(予定)
ミラノ・コルティナ2026のスキージャンプは、男子3種目、女子2種目、混合1種目の全6種目構成。オープニングを飾るのは女子ノーマルヒル個人で、最終日は男子スーパー団体ラージヒル決勝だ。
| 日付(現地) | 種目 | 補足 |
|---|---|---|
| 2月7日 | 女子ノーマルヒル個人 | 今大会最初のジャンプ決勝 |
| 2月9日 | 男子ノーマルヒル個人 | 男子最初の個人戦 |
| 2月10日 | 混合ノーマルヒル団体 | 男女各2人によるチーム戦 |
| 2月14日 | 男子ラージヒル個人 | 伝統の「キング・オブ・ヒル」を決める一戦 |
| 2月15日 | 女子ラージヒル個人 | 女子ラージヒルが五輪で初採用 |
| 2月16日 | 男子スーパー団体ラージヒル | 2人1組×3ラウンドの新種目 |
W杯順位から見るミラノ・コルティナの勢力図
開幕直前時点のFISワールドカップ総合順位(ヴィリンゲン大会終了時)は、男子が1位ドメン・プレブツ(スロベニア/1614ポイント)、2位小林陵侑(日本/989ポイント)、3位二階堂蓮(日本/921ポイント)。女子は1位ニカ・プレブツ(スロベニア/1936ポイント)、2位丸山希(日本/1450ポイント)、3位リサ・エーダー(オーストリア/1133ポイント)という顔ぶれになっている。
| 男子W杯総合(2025-26シーズン/第22戦終了時) | |||
|---|---|---|---|
| 順位 | 選手 | 国 | ポイント |
| 1位 | ドメン・プレブツ | スロベニア | 1614 |
| 2位 | 小林陵侑 | 日本 | 989 |
| 3位 | 二階堂蓮 | 日本 | 921 |
| 女子W杯総合(2025-26シーズン/第25戦終了時) | |||
|---|---|---|---|
| 順位 | 選手 | 国 | ポイント |
| 1位 | ニカ・プレブツ | スロベニア | 1936 |
| 2位 | 丸山希 | 日本 | 1450 |
| 3位 | リサ・エーダー | オーストリア | 1133 |
※FIS公式サイトのカップスタンディングをもとに作成。
日本勢のキーマンは小林陵侑・二階堂蓮・丸山希
男子の大黒柱は、言うまでもなく小林陵侑だ。北京2022大会のノーマルヒル金メダリストは、今季のW杯でもドメン・プレブツに次ぐ総合2位。1月のスキーフライング世界選手権団体では、二階堂蓮、内藤智文、中村直幹とともに日本史上初の金メダルを獲得し、ビッグヒルでも勝負強さを証明した。プレダッツォでもノーマルヒル、ラージヒル、スーパー団体と、あらゆる種目でメダル候補となる。
その小林を脅かす存在として台頭したのが二階堂蓮だ。今季は伝統の4ヒルズ・トーナメントのインスブルック大会でW杯初優勝を飾り、その後も表彰台常連となって総合3位まで順位を押し上げた。直前のヴィリンゲン大会では、五輪前最後のW杯で2位に入り好調をアピール。プレダッツォでは個人戦に加え、男子スーパー団体でもエースの一人としての働きが期待される。
女子のエースは丸山希。今季序盤に3連勝を飾って勢いに乗ると、シーズンを通して安定したジャンプを続け、総合2位でニカ・プレブツを追いかける展開となっている。ヴィリンゲン大会の女子ラージヒル最終戦でも2位表彰台を確保しており、オリンピック本番でも個人2種目と混合団体でメダル争いに絡んできそうだ。
ベテランの高梨沙羅も、総合9位と依然として上位グループに位置している。爆発力のある大ジャンプで今季も複数回トップ10入りしており、プレダッツォではコンディションがハマれば一気に表彰台をうかがえる存在だ。丸山とのダブルエース体制で、女子チーム全体の底上げにも大きく貢献している。
スロベニア、オーストリア、ドイツ、ノルウェー…強豪ひしめくメダル争い
総合首位のドメン・プレブツと、女子のニカ・プレブツを擁するスロベニアは、男女ともに「本命」と言っていい存在だ。ドメンは今季すでに4ヒルズ総合優勝や世界選手権2冠、スキーフライング世界王者のタイトルを獲得し、男子ジャンプ界の絶対的エースに成長した。ニカも今季だけで二桁の勝利を積み重ね、女子の新たな象徴として君臨している。
このスロベニアと日本に割って入りそうなのが、層の厚いオーストリアとドイツだ。ともに個人・団体ともに複数の表彰台候補を抱えており、風向きや天候によってはメダルカラーが大きく揺れ動く大会になりそうだ。
ノルウェーは、スーツ規定違反問題で前代表監督やスタッフが処分を受けるなど逆風のシーズンとなったが、依然として実力者を多数揃える強豪国。北京大会ラージヒルの金メダリスト、マリウス・リンヴィクらがトラブルを乗り越えてどこまで復調してくるかも、プレダッツォでの見どころの一つになる。
現地の雰囲気が伝わる公式ポスト
会場の空気感や五輪ムードは、公式SNSのポストからも伝わってくる。以下のポストを埋め込んでおけば、記事を読むファンにもプレダッツォの熱気がよりイメージしやすくなるはずだ。
